バリスタが提供する
自家焙煎
スペシャルティコーヒー
「COFFEE kinenbi」
バリスタの小守梨奈(こもり りな)さんが手掛ける「COFFEE kinenbi」では、ブラジルやニカラグア、エチオピアなど世界各国のスペシャルティコーヒーが楽しめます。気持ちいい空の下で香り高いコーヒーが楽しめるとあって、神戸キッチンカー総選挙では2位を獲得。当初は店舗での経営を考えていた小守さんですが、なぜキッチンカーを選んだのか、その理由やこだわりをお聞きしました。
最後の一滴まで美味しく飲めるコーヒーを届けたい
バリスタとして10年ほど働いていたのですが、コーヒーは好きだけれどカップ一杯飲みきれないという人をたくさん見てきました。そんな経験から、苦手な人でも飲みやすいコーヒーを提供したいなと思うようになり、独立を決意しました。
当初は実店舗での開店計画を進めていましたが、コロナ禍の影響で断念。別の方法を考えたときに知ったのが「KOBE STAR KITCHEN」でした。お客様一人ひとりと向き合ってコーヒーを淹れたいという想いがあり、対面販売するキッチンカーの方が向いているのではないかと思ったんです。あと、事前の市場リサーチで分かったのですが、神戸でスペシャルティコーヒーを提供するキッチンカーが珍しいっていうのも決め手の一つですね。
バリスタの経験を活かし、焙煎から提供まですべて手作業で
「COFFEE kinenbi」はスペシャルティコーヒーの専門店として出店しています。扱う豆はブラジルの希少なピーベリーをはじめ、ニカラグアやエチオピア、コロンビアといった国から、季節に応じて仕入れています。同じ農園の豆でも、豆の大きさや香りが違いますし、気温や湿度で焙煎方法が変わってきます。そこで大活躍しているのが台湾の「Aillio Bullet」という焙煎機。クラウドファンディングで協力を募り、導入することができました。マシンは小型ながら細かい調整ができ、豆の味わいを引き出してくれます。また、焙煎技術は大阪のSUGIHARA COFFEE ROASTERで学びました。私が理想としている味に近くて、すごく勉強になりましたね。
試行錯誤を繰り返した末にたどり着いたのが「Kinenbiブレンド」です。口に入れた瞬間、心地よい香りが広がり、長く余韻が楽しめる味わいに仕上がっています。コーヒーが苦手な方でも「COFFEE kinenbiのコーヒーなら最後まで美味しく飲める」と好評です。他にも冬はウイスキーベースのアイリッシュコーヒーや、夏はシロップを使ったエルダーフラワーソーダなど、季節に応じたメニューも提供しています。色々と楽しんでもらえるような工夫も欠かせません。
つながりを広げていけるキッチンカーでありたい
コーヒーは淹れたてを楽しんでもらいたいので、オーダーが入ってから準備します。でも待ち時間ができてしまうので、お客様とお話しすることを心掛けています。何気ない会話のなかからお客様の好みの味を知り、「こういう味もおすすめですよ」という提案ができて、よりお口に合ったコーヒーを楽しんでもらうことも。ただコーヒーを飲むだけでなく、キッチンカーで買い物をするシチュエーション自体も楽しんでもらえたらなと思っています。あと、固定の場所で出店するわけではないのでSNSの更新も大切ですね。日々の営業風景や次の出店先の告知もそうですが、新メニューのネーミングを投票で決めてもらうなど、オンラインでもコミュニケーションをとるようにしています。
「COFFEE kinenbi」は様々な人のご縁から成り立っています。シンプルなデザインがお気に入りの看板は知人にデザインしてもらいました。店頭で販売している焼菓子や雑貨も、知り合いから仕入れています。古くから付き合いのある方もいますが、キッチンカーをはじめてから広がったつながりもあります。お客様とも1回買っていただいて終わりではなく、何度も足を運んでもらいたくなるような関係性を作っていければと思います。